💁法人向けレンタルサーバーの種類 ~ 共用・仮想専用・物理専用の違い
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レンタルサーバーを選ぶ際には、まずは「どのタイプのサーバーを利用するか」を検討するかと思います。
個人利用であれば「共用サーバー」一択と考えられますが、法人利用の場合は「専用サーバー」も含めて検討することで、自社に合ったサーバーを見つけやすくなります。(手軽に利用できるタイプの専用サーバーもあります)
本記事では、法人向けレンタルサーバーの種類による違い、他ユーザーの影響、運用形態の違いなどについて解説します。
法人向けレンタルサーバーの種類
法人向けレンタルサーバーの種類には、「共用サーバー」「仮想専用サーバー」「物理専用サーバー」があります。
一般的に共用サーバーを利用するケースが多くなりますが、安定性やセキュリティを重視する法人にとっては専用サーバーも重要な選択肢になります。
サーバーの種類による違い
各サーバーの特徴、用途、価格帯の違いは以下のようになります。
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種類 | 説明 |
---|---|
共用サーバー |
1台のサーバーを複数ユーザーで共有するタイプです。ハードウェア、OS、アプリケーション(Webサーバーやメールサーバー、他)などを共有するため、同居する他ユーザーの影響を受けやすくなります。 |
仮想専用サーバー |
1台のサーバーを仮想化技術によって分離し、各領域を1ユーザーが専有できるようにしたタイプです。ハードウェアは共有するものの、IPアドレス、OS、アプリケーションなどは専有できるため、他ユーザーの影響を受けにくくなります。(▼仮想化方式により多少異なる場合があります) |
物理専用サーバー |
1台のサーバーを1ユーザーが専有するタイプです。ハードウェアを含めて専有できるため、他ユーザーの影響を排除することができます。 |
種類 | 説明 |
---|---|
共用サーバー |
小規模サイトの運用で、費用を抑えたい場合に向いています。法人向けのプランではサーバーのスペックなどが強化されているため、一般的な法人サイトであれば共用サーバーで十分なことも多いです。 |
仮想専用サーバー |
アクセス数がそれなりにある場合や、安定性やセキュリティを重視したい法人サイトに向いています。中小企業のサイト運用においては、性能と価格帯のバランスに優れたタイプと言えます。 |
物理専用サーバー |
大規模サイトやアクセス数が多い場合に向いています。他ユーザーの影響を排除しつつ、安定性やセキュリティを最大限に高めたい場合はこのタイプを選ぶと良いでしょう。 |
種類 | 説明 |
---|---|
共用サーバー |
法人向けのプランでは月額数千円程度になることが多いです。別途、初期費用が数千円~1万円前後かかる場合があります。 |
仮想専用サーバー |
月額数千円~数万円程度、初期費用は数万円程度かかることが多いです。 |
物理専用サーバー |
月額数万円程度、初期費用は数万円~数十万円かかります。仮想専用に比べ、初期費用が高くなることが多いです。 |
仮想化技術の種類
仮想専用サーバーで使用される仮想化技術には、以下の3種類の方式があります。
これはユーザー側で操作できるものではありませんが、仮想専用環境がどのような仕組みで作られるのかを参考程度に見てください。
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種類 | 説明 |
---|---|
ホストOS型 |
土台となるホストOSに仮想化ソフト(VirtualBoxなど)をインストールして、ホストOS上に複数の仮想マシンを構築します。仮想マシン内では独立したゲストOSが動き、そこへアプリケーションをインストールします。 手軽に仮想化できるものの、2種類のOSを同時に動かす必要があるため、他の2つに比べると処理速度が出にくいです。 |
ハイパーバイザー型 |
仮想化ソフトとして動くハイパーバイザー(KVMなど)を土台とし、複数の仮想マシンを構築します。仮想マシン内では独立したゲストOSが動き、そこへアプリケーションをインストールします。 2種類のOSを動かす必要がないため処理速度が出ますが、ハイパーバイザーに対応したハードウェアが必要となります。 |
コンテナ型 |
ホストOSにコンテナエンジン(Dockerなど)をインストールして、ホストOS上に複数のコンテナを構築します。ゲストOSを用いることなく、各コンテナ内に独立したアプリケーションを追加することができます。 ゲストOSを必要としないので処理速度が出ますが、各コンテナが1つのOSを共有するため自由度が制限されます。 |
他ユーザーの影響
共用サーバーと仮想専用サーバーでは、同居する他ユーザーからの影響も考慮する必要があります。(物理専用サーバーは同居ユーザーがいないため、影響を受けることはありません)
一般的に、共用サーバーは他ユーザーの影響を受けやすく、仮想専用サーバーは影響を受けにくくなります。
影響 | 共用サーバー | 仮想専用サーバー |
---|---|---|
負荷の影響 |
ハードウェア、OS、アプリケーションを共有しているため、他ユーザーが高負荷をかける運用をしていた場合に、その影響を受けて自サイトの閲覧に支障が出る場合があります。 |
ユーザーごとに専有領域を持ち、リソース(vCPUのコア数・メモリ量)の割り当てもあるため、他ユーザーの影響を最小限に抑えることができます。しかし、ハードウェアなどは共有しているため多少の影響はあり得ます。 |
ブラックリストの影響 |
他ユーザーのスパム行為などによりIPアドレスがブラックリストに登録されると、同じIPアドレスを使用する同居ユーザーのメール運用に支障が出る場合があります。(送信先によってはメールがブロックされてしまうことがあります) |
ユーザーごとに専用のIPアドレスが付与されるため、他ユーザーがブラックリストに登録されても影響はありません。 |
※一部の共用サーバーでは、ユーザーごとに一定のリソース量を確保したり、専用のIPアドレスが使用できる場合もあります。このようなサーバーでは、一般的な共用サーバーよりも他ユーザーの影響を受けにくくなります。
マネージド型とセルフマネージド型の違い
レンタルサーバーの運用形態には、マネージドサービスが付いた「マネージド型」と、このサービスが付かない「セルフマネージド型」があります。
- マネージド型:サーバーの管理・保守をレンタルサーバー会社側が行う
- セルフマネージド型:サーバーの管理・保守をユーザー側が行う
共用サーバーは全てマネージド型になりますが、専用サーバー(仮想専用・物理専用)ではマネージド型とセルフマネージド型の2種類が存在します。
この専用サーバーにおける「マネージド型」と「セルフマネージド型」の違いは以下のようになります。
項目 | マネージド型 | セルフマネージド型 |
---|---|---|
root権限 |
サーバー会社がroot権限を持つ |
ユーザーがroot権限を持つ |
サーバーの構成 |
予め用意されたアプリケーションや機能を使用する |
アプリケーションを自由にインストールでき、必要な機能を追加していける |
管理・保守 |
サーバー会社に任せられる |
ユーザー側が行う |
サーバー管理者 |
専門的な管理者は不要 |
ユーザー側で専門知識を持ったサーバー管理者を用意する必要がある |
サーバー管理のコスト |
サーバーの料金に含まれる |
サーバー料金の他に管理コスト(管理者の人件費)が発生 |
運用の難易度 |
難易度は低く、共用サーバーのような感覚で利用できる |
難易度が高く、サーバーの構築、監視、メンテナンス、障害発生時の対応などが必要 |
メリット |
専用サーバーの優れた環境(安定性・セキュリティ)を手軽に利用できる |
自由度が高く、ユーザーが望むような環境を構築できる |
デメリット |
自由度が低い |
手間がかかる |
上記のように、マネージド型の専用サーバーは「自由度は低いものの手間がかからない」、セルフマネージド型の専用サーバーは「自由度は高いものの専門的な知識が必要」、といった点が大きく異なることになります。
一般的な用途であれば自由度はそれほど重要ではないため、専用サーバーを利用する際にはマネージド型を選んだ方がメリットが大きいです。
※一般的に、「マネージド〇〇〇」と表記されているサーバーがマネージド型の専用サーバーになります。
種類別レンタルサーバーの一覧
最後に、各種の法人向けレンタルサーバーをご紹介させていただきます。
※共用サーバーについては、法人利用に適したプランのみを掲載しています。
サービス名 (公式サイト) |
プラン |
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エックスサーバー
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XServerビジネス
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さくらのレンタルサーバ
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WebARENA SuiteX
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CPIレンタルサーバー
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コアサーバー
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ConoHa WINGビジネス
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サービス名 (公式サイト) |
プラン |
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XServerビジネス
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|
さくらのマネージドサーバ
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|
KAGOYA レンタルサーバー
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|
サービス名 (公式サイト) |
プラン |
---|---|
XServerビジネス
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|
KAGOYA レンタルサーバー
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|
以上です。
今回は法人向けレンタルサーバーの種類について解説させていただきました。
本記事がお役に立てましたら幸いです。