💁レンタルサーバーの容量はどのくらい必要か ~ 計算方法と目安を解説

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高橋永治

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レンタルサーバーの容量は、小さなものは数GB程度~大きなものでは1TB(1000GB)以上まで、プランによって様々な大きさの容量が用意されています。

数多くあるプランの中から適切なサーバーを選ぶためには、自身のサイトにとって必要な容量を把握しておくことが重要なポイントとなります。

本記事では、容量の目安や計算方法、WordPressを導入する際に留意すべき点などを解説するほか、用途別に具体的なケースを想定して必要な容量を紹介しています。(計算ツールもあります▼

レンタルサーバーの容量について

レンタルサーバーの容量は、レンタルサーバー各社の公式サイトに必ず記載されています。会社によって呼び方が異なり、単に「容量」としている場合や、「ディスク容量」と表記している場合もあります。

サーバーの容量とは

レンタルサーバーの容量とは、サーバーの契約者に割り当てられたデータ保存領域の大きさのことです。この容量が大きいほど、多くのデータをサーバー上に保存することができます。

サーバーの容量は「Web領域」「メール領域」「データベース領域」の3つに分けられ、このうち「Web領域」と「メール領域」を合わせたものを「容量」としている場合や、3つの領域すべてを合算して「容量」としている場合があります(レンタルサーバー会社により異なります)。

各領域には以下のデータが保存されることになります。

領域 保存内容
Web領域

この領域には、Webページを構成するファイル(HTML、CSS、画像、動画、JavaScript、PHP、PDF等)が保存されます。

WordPressを導入する場合は、WordPress本体を構成するファイル群もこの領域内に保存されます。

メール領域

受信メールをサーバーに残す設定にしている場合は、受信したメールのデータがこの領域に保存されます。

※メールアカウント1つごとに容量の上限が設けられている場合もあります。

データベース領域

WordPressを使用して記事を投稿した場合に、その記事のテキスト等の文字データがこの領域に保存されます。(アップロードした画像はWeb領域に保存されます)

※この領域の容量は、1つのWordPressにつき数十MB数百MB程度消費します。

価格帯別に見るサーバー容量の目安

プランの価格帯と容量の目安は次のようになります。

プラン 月額料金の目安 容量の目安
格安のプラン ~300円 数十GB200GB
中価格帯のプラン 400~1,000円 300GB700GB
大容量プラン 2,000円~ 1TB(1000GB)~

※上記は、一般的なサーバープランを対象とした内容になります。ビジネスプランの場合はこれよりも月額料金は上昇します。

容量以外にも考慮しておきたいポイント

レンタルサーバーの性能は、容量の大きさだけで決まるものではありません。

最適なサーバーを見つけるためには、Webサーバーやストレージの種類各種機能やサービス内容なども考慮して探すようにしてください。

※容量が小さいプランでは、WordPressが利用できないケースが多くなります。

サーバー容量の計算方法

自身のサイトが必要とする容量を把握することで、数多くあるサーバープランの中から選択肢を絞り込むことができます。

このセクションでは、容量を計算する際の目安留意すべき点などについて解説します。

計算ツールもあります▼

1ページあたりの容量の目安

一般的なWebページであれば、1ページあたり13MB(画像を含む)として計算することができます。(HTMLファイル類を100KB、画像ファイルを300KB×(3~9枚)として算出)

この場合、サイトの規模による容量の目安は次のようになります。

規模 容量の目安
50ページ 50MB(0.05GB)~150MB(0.15GB)
500ページ 500MB(0.5GB)~1500MB(1.5GB)
1000ページ 1000MB(1GB)~3000MB(3GB)

上記のように、一般的なWebページであれば消費容量はとても小さなものになります。

しかし、容量の大きいファイルを多数アップロードする場合には、これよりも余裕を持たせて計算する必要があります。

容量を消費しやすいファイル

以下のファイルはサーバーの容量を消費しやすいので、これらのファイルを扱う場合(またはその可能性がある場合)は、容量に余裕を持たせて見積もるようにしてください。

ファイル 容量の目安 説明
動画ファイル 10MB~500MB

動画ファイルの容量は非常に大きなものになります。ファイル容量は画質(解像度・ビットレート)や尺によって大きく変わります。

参考:HD画質30秒で10MB、4K画質2分で400MB

※YouTube等にアップロードした動画をページ内に埋め込む場合は、サーバーの容量は消費しません。

巨大な写真 2MB~5MB

撮影した写真をそのままアップロードしてしまうと、1枚につき数MBの容量になってしまう場合があります。(慣れない人がブログに投稿する際に発生することがあります)

※このような巨大な写真は、適度に縮小・圧縮することで数十KB~数百KB程度に抑えることができます。

画像を含むPDF 数MB~

PDF内のページ数にもよりますが、画像を含むPDFファイルの場合は数MB、あるいはそれ以上の容量になってしまう場合があります(圧縮することである程度は抑えられます)。

※テキストのみのPDFであれば数百KB程度に収まることが多いです。

例えば、300MBの動画を30本(9GB)、3MBの写真を300枚(0.9GB)、5MBのPDFを100枚(0.5GB)といったファイルをアップロードする場合は、+10GB程度の容量が必要ということになります。

WordPressで構築されたサイトの場合

WordPressを導入する場合は、以下の点に留意する必要があります。

WordPress本体の容量

WordPressをインストールすると、WordPress本体を構成するファイル群がWeb領域内に保存されます。このファイル群にプラグインやテーマのファイルを加えると、おおよそ100MB200MB程度の容量を消費することになります。

解像度の異なる複数の画像が自動生成される

WordPressのアップローダーを使って画像をアップロードすると、1枚の画像をアップロードする度に解像度の異なる複数の画像が自動生成され、Web領域内に保存されることになります。

これにより、画像の総容量が本来のサイズと比べて2倍程度になります。

プラグインを使ったバックアップデータが巨大化する

BackWPupなどのプラグインを使ってバックアップを取る場合は、大容量のデータがWeb領域内に保存されることになります。頻繁にバックアップを取っているとサーバーの容量を圧迫してしまうため、使用する際にはバックアップスケジュールの設定に注意が必要です。

※サーバーにバックアップ機能が備わっている場合は、プラグインを使う必要性はあまりないかもしれません。

メールボックスの容量

個人利用の場合はそれほど気にする必要はありませんが、法人利用の場合はメール領域の容量も意識する必要があります

メールアカウント1つあたりの最大容量を2GBとした場合、10人分のアカウントで最大20GB、50人分のアカウントで最大100GB、100人分のアカウントで最大200GBの容量が必要となります。

簡易計算ツール

大まかな容量を計算できるツールです。

1ページあたりの容量

画像が少ない場合は「小さめ」、多い場合は「大きめ」を選択

ページ数

想定されるページ数を選択

WordPress

使用する場合はページの容量が2倍(画像の容量が増えるため)

メールボックスの容量

受信メールをサーバーに残さない場合は「使用しない」を選択

メールアカウント

想定されるメールアカウントの個数を選択

動画ファイル

想定される動画の本数を選択

PDFファイル

想定されるPDFの枚数を選択

容量の合計

0.001GB

※上記の結果はひとつの目安としてご覧ください。各ファイルの内容(容量)により、合計値が大幅に上下する場合があります。

※メールボックスの容量については、サーバーにより上限値が設定されている場合があります。

容量に余裕を持たせる

将来的な拡張性を考慮すると、必要とするサーバーの容量に対して2~3倍の容量は確保しておきたいところです

容量に余裕を持たせておくことで、例えばオウンドメディアを新規に追加したり、社員数の増加などにも対応できるようになります。

バックアップデータの容量はどうなるのか

主要なレンタルサーバー会社のバックアップ機能では、バックアップデータはバックアップ専用の領域に保存されます。このようなサーバーでは、バックアップデータが利用者のサーバー容量を圧迫することはありません

以下に、レンタルサーバー各社のバックアップに関する説明の一部を引用します。(マーカーは本記事の著者によるものです)

エックスサーバーから引用

サーバー上のデータを1日1回バックアップ専用サーバーに自動コピーし、

ロリポップ!から引用

データは安全なバックアップ専用サーバーに自動保存

さくらのレンタルサーバから引用

ご契約のサービスとは別途設けられるため、ご利用のサービスの容量が圧迫されることはありません

コアサーバーから引用

ご利用領域とは別にバックアップ保存

用途別に見る容量の目安

用途別に5つのケースを想定し、それぞれの必要容量推奨容量を算出してみました。

容量は以下の条件で計算しています。

内容 説明
WordPress

すべてのケースでWordPressを使用。

1ページの容量

各ページの容量は画像を含めて4MBに設定。各画像は最適化されているものとし、解像度の異なる複数の画像が自動生成されるとして計算。

動画

動画の容量は300MBに設定。

PDF

PDFの容量は5MBに設定。

メールボックス

メールボックスの容量は、個人利用の場合は0.5GB、法人利用の場合は添付ファイルのやり取りが増えると考えられるため2GBに設定。

推奨容量

推奨容量は、個人利用の場合は必要容量に対して3倍、法人利用の場合はメール領域の割合が大きくなるため2倍に設定。

個人の趣味

個人の趣味として、日記的なブログを3年間運営する場合の例(1000ページ程度)。メールアカウントは1つだけ設定。

領域 容量の目安
Web領域
  • ページ×1000 = 4GB
  • 動画×0 = 0GB
  • PDF×0 = 0GB
メール領域
  • メールボックス(0.5GB)×1 = 0.5GB

必要容量
4.5GB

推奨容量(3倍)
13.5GB

アフィリエイトブログ

1つのサーバー内で、100ページ程度のアフィリエイトブログを3つ運営する場合の例。メールアカウントは各ブログごとに1つずつ設定。

領域 容量の目安
Web領域
  • ページ×300 = 1.2GB
  • 動画×0 = 0GB
  • PDF×0 = 0GB
メール領域
  • メールボックス(0.5GB)×3 = 1.5GB

必要容量
2.7GB

推奨容量(3倍)
8.1GB

コーポレートサイト

50ページ程度のコーポレートサイトを構築する例。動画はYouTube経由で埋め込むため0GB、PDFは将来的に100枚程度になることを想定。社員30人分のメールアカウントを設定。

領域 容量の目安
Web領域
  • ページ×50 = 0.2GB
  • 動画×0 = 0GB
  • PDF×100 = 0.5GB
メール領域
  • メールボックス(2GB)×30 = 60GB

必要容量
60.7GB

推奨容量(2倍)
121.4GB

コーポレートサイト + 採用サイト

50ページ程度のコーポレートサイトと20ページ程度の採用サイトを構築する例。基本、動画はYouTube経由で埋め込むが、背景等で使用する動画はサーバー内に保存(5本程度)、PDFは将来的に100枚程度になることを想定。社員50人分のメールアカウントを設定。

領域 容量の目安
Web領域
  • ページ×70 = 0.28GB
  • 動画×5 = 1.5GB
  • PDF×100 = 0.5GB
メール領域
  • メールボックス(2GB)×50 = 100GB

必要容量
102.3GB

推奨容量(2倍)
204.6GB

コーポレートサイト + 採用サイト + オウンドメディア

商品紹介を含むコーポレートサイト(100ページ程度)、充実した採用サイト(30ページ程度)、3つのオウンドメディア(各300ページ程度)で構成されるサイトの例。すべての動画をサーバー内に保存(20本程度)、PDFは将来的に300枚程度になることを想定。社員100人分のメールアカウントを設定。

※中小企業の一般的なサイトでは、このくらいの規模感が上限付近になるかと思います。

領域 容量の目安
Web領域
  • ページ×1030 = 4.12GB
  • 動画×20 = 6GB
  • PDF×300 = 1.5GB
メール領域
  • メールボックス(2GB)×100 = 200GB

必要容量
211.6GB

推奨容量(2倍)
423.2GB

容量別に見るサーバープランの例

最後に、容量別に見るおすすめのレンタルサーバーをご紹介させていただきます。

各レンタルサーバーの主要なスペックを確認したい方は、「厳選おすすめレンタルサーバー5選」もご覧になってください。

小さめの容量

100GB程度の容量を持つサーバープランの例です。

以下のプランは静的サイトを想定したものになるため、WordPressを使用するサイトは設置できません。

レンタルサーバー プラン名 容量 / 月額
ロリポップ! エコノミー 容量:120GB(WordPressは利用できない)
月額:99円
さくらのレンタルサーバ ライト 容量:100GB(WordPressは利用できない)
月額:121円

標準的な容量

300GB700GBの容量を持つサーバープランの例です。

各社ともこの範囲のプランに力を入れている印象で、サーバーの性能や機能などを検討しつつ、多彩な選択肢の中から自身に合ったサーバーを選ぶことができます。

レンタルサーバー プラン名 容量 / 月額
エックスサーバー スタンダード 容量:500GB
月額:990円
ロリポップ! ライト 容量:350GB
月額:264円
ハイスピード 容量:700GB
月額:550円
コアサーバー V2 CORE-X 容量:500GB
月額:390円
V2 CORE-Y 容量:700GB
月額:690円
さくらのレンタルサーバ スタンダード 容量:300GB
月額:500円
コノハウィング ベーシック 容量:300GB
月額:968円

大容量プラン

1TB以上の容量を持つサーバープランの例です。

ここまでの容量を必要とするケースは少ないとは思いますが、一部のレンタルサーバー会社では大容量のプランも用意されています。

レンタルサーバー プラン名 容量 / 月額
ロリポップ! エンタープライズ 容量:1.2TB(1200GB)
月額:2,200円
コアサーバー V1 CORE-C 容量:1.4TB(1400GB)
月額:2,750円
V2 CORE-Z 容量:1TB(1000GB)
月額:1,990円

以上です。

今回はレンタルサーバーの容量について解説させていただきました。

本記事がお役に立てましたら幸いです。